夏競馬と聞いても、いつからいつまでが正確に夏競馬なのか、ハッキリとは知らないという方も多いかと思います。それもそのはず、夏競馬といっても正式な呼称ではなく、「一般的にそう呼ばれている」だけなのです。
とはいえ、その一般的なとらえ方にも共通点があり、いつからいつまでが夏競馬かはある程度の定義があります。この記事では夏競馬の日程を中心にまとめていきましょう。
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目次
夏競馬の日程は毎年固定ではない
まずは夏競馬と呼ばれる期間の日程に関してです。この日程は毎年日付で決定しているものではありません。カレンダーは毎年変わり、中央競馬の開催は基本的に土日のみですから、日付が前後するのは当然かもしれません。
そこで2021年の夏競馬の日程、そして夏競馬期間の基本的な考え方をまとめていきましょう。
2021年の日程は7/3から9/5
毎年日程は多少前後にずれる夏競馬ですが、参考までに2021年の日程を確認しておきましょう。2021年の夏競馬の日程は、7月3日(土)~9月5日(日)の10週間。開催日数で考えると20日間ということになります。
基準は宝塚記念の次の週から札幌競馬の最後開催日まで
中央競馬の夏競馬に関しては、日付で覚えるのではなく、開催で覚えるのがいいでしょう。例年春競馬の締めくくりが「宝塚記念」。そして秋競馬の開幕が「京成杯AH」となっています。
分かりやすく覚えるのであれば、宝塚記念の翌週から、札幌開催の最終日までとなります。ただし、札幌開催に関しては、競馬場の改修工事の予定などにより日程が変更になるケースがあります。
2021年も京都競馬場の大改装を受け、特に阪神開催、中京開催が変則的になっています。競馬場の改修は、毎年のようにどこかの競馬場で行われますので、夏競馬をイメージするのであれば基本的にはレースで覚えるといいでしょう。
現状の日程であれば、宝塚記念後から京成杯AH前までというのが間違いない覚え方になります。
2021年の夏競馬スケジュール
上の画像が2021年6~9月の中央競馬の開催スケジュールです。青で塗りつぶされた部分が夏競馬となり、上記の通りの重賞が組まれています。
注目したいのは、開催競馬場と開催レースのズレです。従来中京競馬場で行われるはずのCBC賞や中京記念は小倉競馬場で、例年札幌競馬場で行われるはずのエルムSやクイーンSが函館競馬場で開催されます。
これは京都競馬場の大規模改修工事の影響です。2020年11月に始まった京都競馬場の大規模改修工事。予定では2023年の3月までの長期間、京都競馬場での開催は行われません。
そのためこの期間、京都競馬場で開催するはずのレースは、ほかの競馬場で行われます。主に中京競馬場と阪神競馬場がその役目を負いますが、こうなると中京と阪神の芝やダートに大きなダメージが溜まってしまいます。
このダメージを軽減するため、小倉競馬場や札幌競馬場、函館競馬場などの日程を調整し、ダメージを分散させています。
2021~2023年までは、開催レースと開催競馬場がズレるケースが増えます。併せて各競馬場の開催タイミングもズレる可能性がありますのでご注意ください。
夏競馬で抑えておくべき格言3つ
2021年の夏競馬の日程、さらに開催される重賞などについて確認してきました。しかしここまでの情報はJRAのHPを見れば分かる程度の情報です。問題はその夏競馬でどうやって勝つのか?ということではないでしょうか?
そこで夏競馬では定説ともいえる、馬券検討において重要なポイントを紹介しておきましょう。
夏は牝馬
夏場に競馬に参戦するのは、競走馬にとっても楽な話ではありません。高温多湿の日本において、全力でレースに出走するのはダメージが大きく、だからこそ多くの実力馬や期待馬は夏を涼しい北海道での休養に充てるわけです。
そのサラブレットですが、一般的に牡馬よりも牝馬のほうがダメージに強いといわれています。特に暑さによるダメージには、牝馬のほうが強く、夏競馬ではたびたび牝馬の激走が大きな穴をあけると言われています。
2020年7月5日 4回阪神2日目 11R CBC賞 | ||||
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 人気 |
1着 | ③ | ラブカンプー | 牝5 | 13番人気 |
2着 | ⑥ | アンヴァル | 牝5 | 11番人気 |
3着 | ② | レッドアンシェル | 牡6 | 3番人気 |
払い戻し | |||
単勝 | ③ 9,310円 | ||
複勝 | ③ 1,580円 | ⑥ 1,350円 | ② 290円 |
馬連 | ③-⑥ 138,600円 | ||
ワイド | ③-⑥ 22,590円 | ②-③ 7,540円 | ②-⑥ 5,050円 |
馬単 | ③→⑥ 294,520円 | ||
三連複 | ②-③-⑥ 242,890円 | ||
三連単 | ③→⑥→② 2,444,630円 |
まだ記憶に新しい2020年のCBC賞。三連単250万円弱という大波乱の結末でしたが、これを演出したのも「夏の牝馬」でした。
1着のラブカンプーは前走0.6秒差の7着から一気の変わり身。この馬の全成績でもっとも好調だったのは2018年、3歳時のやはり夏でした。2018年はアイビスSD2着、北九州記念3着、セントウルS2着からGⅠのスプリンターズSでも2着と好走しています。
2着のアンヴァルも前走は阪急杯で14番人気16着。着差も1.4秒の大差で休み明けということもあり当然二桁人気でした。
この当時この2頭の激走を予想できたかと聞かれればおそらくできてはいません。ただし夏の牝馬はこのくらい衝撃的な変わり身を見せることがありますので常に注意が必要でしょう。
夏は格よりも調子
夏競馬の予想では、馬の格はあまりあてになりません。それほど夏の競馬はサラブレッドには過酷なものであり、たとえ格上の馬でも全力を出し切れるかどうかで思わぬ敗戦を喫したりするものです。
2017年8月6日 2回阪神4日目 11R レパードS | ||||
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 人気 |
1着 | ② | ローズプリンスダム | 牡3 | 11番人気 |
2着 | ⑨ | サルサディオーネ | 牝3 | 12番人気 |
3着 | ⑤ | エピカリス | 牡3 | 1番人気 |
払い戻し | |||
単勝 | ② 6,630円 | ||
複勝 | ② 810円 | ⑨ 1,230円 | ⑤ 110円 |
馬連 | ②-⑨ 95,320円 | ||
ワイド | ②-⑨ 17,360円 | ②-⑤ 1,320円 | ⑤-⑨ 2,060円 |
馬単 | ②→⑨ 251,840円 | ||
三連複 | ②-⑤-⑨ 42,750円 | ||
三連単 | ②→⑨→⑤ 807,250円 |
3着に入った1番人気のエピカリスの単勝オッズは150円。それもそのはず、エピカリスはデビューから無敗でダート戦を4連勝。その後挑んだ海外遠征、UAEダービーでも、後にドバイWCで連覇を果たすサンダースノーにアタマ差の2着と、結果を残していた馬です。
日本の強豪どころか世界の強豪がUAEダービー後に出走したこのレースでまさかの3着。2着に入ったのは「夏の牝馬」で、前走条件戦勝ちの好調馬でした。
夏場の馬体増は買い
夏競馬の予想で非常に重要なのがその馬の体調です。とにかくその馬が実力を出し切れる状態かどうかをチェックしましょう。
そのためにおすすめなのが馬体重の増減チェック。特に夏競馬では多くの馬が馬体重を減らしてくる傾向にあります。馬も人間と同様に、暑すぎれば食欲がわかないもの。いわゆる夏バテの状態になることが少なくありません。
加えて夏競馬はローカル開催が中心です。ローカルの競馬場は基本的に滞在競馬が難しくなります。例えば関東馬が新潟を使って次に中京を使う場合。まずは美浦から新潟に遠征し、その後美浦に戻ってから今度は中京への長距離輸送ということになります。
美浦から東京や中山はさほどの距離ではありませんが、新潟や中京となるとこれは長距離輸送です。長距離輸送が続けば、当然馬体も細くなります。
このような夏競馬で馬体重を増やしているというのは相当タフな馬か、調子がいい馬。夏の暑さも長距離輸送もダメージとなっていない馬である可能性が高く、人気に関係なく好走が期待できます。
ただし馬体重を見る際は、同時に調教もチェックしておきましょう。馬体重を減らさないために調教が緩くなっている馬もおり、こういうタイプに激走はあまり期待できません。
まとめ
2021年のスケジュールを中心に夏競馬の日程について解説しました。夏競馬の日程は、年によって多少の違いは出るものの、基本的には7~8月のローカル開催のことだと考えておけば大きく間違ってはいないかと思います。
夏競馬はそのスケジュールや気候、相手関係、開催競馬場の影響もあり、独特の予想基準を持つことも重要になります。
特に牝馬、その馬の調子、馬体重、調教強度などに注目し、予想をするのがおすすめになります。